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BLue CaFe NeT

by HiRoo iNoue || ACTOR

円周率

電車の中に貼ってある予備校の広告にこんな数学の問題が載っていた。

「円周率が3.05より大きいことを証明しなさい」   

なんてシンプルで素敵な問題なんだろう。興奮した僕はメモ帳を取り出しその問題を考えはじめた。

僕は前にも書いた通り、30歳になってから芝居を始めた。その「遅いスタート」が僕にとって大きなコンプレックスであり、それまでに培われた「自我」が演技をする上でジャマになると感じていたので、いつしか僕には「役者以前」の人生を封印するクセがついていた。

だから、そのことについてあまり人には話したくないし(聞かれれば話すけど)、実際思い出すことも少ない(記憶もかなり薄れてきている)。後悔しているというわけではないけれど、芝居を始めてからの人生とは完全に切り離して考えてようとしてきたのだ。

でも、こないだ友人と話をしているときにそのことを指摘されて「過去の自分も受け入れた方が味が出るかもよ」と言われ、なんとなく「そういうものかもなあ」と最近になって思い始めてきた。そろそろうまく折り合いをつけてもいい頃なのかもしれない。

僕は、18歳から27歳までの9年間、大学生という身分でありながら、数学の先生をしていた。(「諸事情」により大学生生活が人より長かった…)僕が教えていたところは僕自身大学受験のときに通っていた中規模の塾で、大学生が中心となって自主的に教える内容を研究したり資料を作ったりするところだった。自由ではあるがその分責任は重く、だからこそやりがいのある楽しい仕事だった。

僕もその9年間何かにとりつかれたようにその仕事に没頭し、その頃は本気で自分は日本一の数学教師なのではないかと思ったりもした。「なにが僕をそこまで駆り立てたのか」はいまだ疑問ではあるが、何から何まで自分で作り上げていくそのプロセスはどこか「作家・演出家・俳優」の仕事を一人でやっていくもののようであり、「芝居をやりたい」という密かな欲求の代償行為だったのかもしれない。(「だったらそのときに芝居を始めときゃよかったじゃん」と今は思うのだが…)

「数学が得意な役者」なんて全然魅力的じゃないんですが、なにせ9年もやってたものだからまだ身体に沁みついちゃってるんですね。↑の問題を見て、つい血が騒いでしまいました。

よかったらみなさんも考えてみてください。衰えていく脳細胞が活性化されますよ!

円周率というのは円周を直径で割った数ですね。つまり、円周=直径×円周率というわけです。例えば半径が1の円なら円周=2×円周率になります。このことを使って考えてみるといいでしょう。

ただいきなりこの問題では難しいかもしれないので、「円周率が3より大きいことを証明しなさい」という問題を考えてみてください。これなら特に数学的な知識もいらないです。純粋に頭の体操です。分かったら、僕までご一報ください!