BLue CaFe NeT

by HiRoo iNoue || ACTOR

ぼくらの足跡

ぼくの次の芝居は、「砂地」という演劇集団による公演です。と言われても、ほとんどの人(恐らく全員)はこの団体を知らないでしょう。それもそのはず。まだ弱冠22歳の演出家、船岩祐太の主宰する若い集団で、今回がまだ2回目の公演なんです。

そもそもの彼との出会いは、去年の「ビルマの竪琴」でした。ぼくは俳優として、彼はプロンプターとしてその現場にいました。今思えば、出会った当初から「縁」のようなものを感じていた気もしますが、初めてきちんと話をしたのは、稽古も大詰めの時期の飲み会でした。少し離れた席で、ぼくの大好きな作品の話を彼が熱く語っているのを聞き、ぼくがそこに乱入して意気投合したのです。

それ以来仲良くなり、稽古場で、飲み会で、舞台が終わったあとも、いろいろと話をするようになりました。そして今回の芝居をやるにあたり、ぼくに声をかけてくれたのです。(ちなみに壮太郎くんもその作品で一緒でした。水島上等兵です。ビルマなしには揃わなかった顔ぶれというわけですね!)


さて、その「砂地」。
ぼくは最初にその名前を聞いたときに、「若い人が作った集団の名前にしてはずいぶん地味だな」と思って、その名前の由来を彼に訊ねました。その答えが、砂地のHPに載っているので引用します。

演劇は生まれ落ちた瞬間に消えてしまう行為である。それは荒涼たる砂地に足跡を残す行為に等しいのではないだろうか?足跡は吹き荒ぶ風に掻き消されてしまう。その風は時代という名で、今も私たちに向かって吹き荒れている。私たちはその風と誠実に対話しながら、一歩一歩と確実に足跡を刻んでいきたい。

「そしてぼくは、いろんな人たちが足跡を残す場所になりたいんです。だから今回は、これまでのヒロオくんの人生を全てかけてヒロオくんにしか残せない足跡を残していってほしいんです!」

感動で胸が震えます。応えないわけにはいきません。本番まであと3日。「ぼくら」はどれだけの足跡を残せるのか。精一杯やるのみです。ぜひ見に来てください!

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