桜の木のように
2014年は1年を通じて充実した忙しい年でした。今年は6つの舞台作品を作りました。
◎青☆組『人魚の夜』@こまばアゴラ劇場
コンクリートの床の上を裸足で歩いたりしたので、とにかく寒かったことを覚えています。でもモノローグの最中に見ていた海は、個人的に親しみ深い瀬戸内の海でした。
◎TRASHMASTERS『虚像の礎』@座・高円寺1
全員が初めて一緒にやるメンバー。産みの苦しみも大きく千秋楽までいろいろ大変だった分記憶にも残り、強い愛情を感じる作品になりました。無事に千秋楽を迎えられたことが本当に嬉しかった。
◎ZU々『クロードと一緒に』@青山円形劇場
大好きな青山円形劇場。古巣箱庭円舞曲の仲間、古川貴義との再会。そして若き戦友、相馬圭祐・稲葉友との出会い。2014年のクライマックスでした。
◎DULL-COLORED POP『河童』@吉祥寺シアター
今では信じられないけれど、毎日暑くて大変だった。若くて元気な人たちがたくさん暴れまわっていて、僕にとっては珍しい雰囲気の現場でした。ここでも、念願の初共演の人や新しい出会いの人がいて嬉しかった。
◎松森企画ワークショップ『熱帯樹』@古民家アサゴロウ
愛する三島由紀夫作品。なかなかチャレンジ出来ない作品・役柄に取り組めたことは自分にとって得難い経験となった。大きく歳の離れた悪友、永嶋柊吾と出会って、酒量が増えました。
◎テアトル・ド・アナール『トーキョー・スラム・エンジェルス』@青山円形劇場
もうすぐなくなってしまう青山円形劇場に再び立てたこと。自分の辿ってきた人生を辿り直すような舞台であったこと。10年来の念願であった山本亨さんとの共演。南果歩さん・加治将樹とのヒリヒリする舞台上での出会い。心から信頼する谷賢一、アナールメンバーとの共同作業。ただ単純に、嬉しくて楽しいことだらけの現場でした。
楽しいことだけでなく、悔しいことや、腹が立つことや、悲しいこともまたたくさんあった1年でした。それもまた人生。大切にすべきものはこれからも大切に、捨てるべきものは捨てて、来たるべき大切なものにスペースを用意して。
毎年大きく美しい花を咲かせる桜の木ように、来年も今年以上の花を咲かせられるよう、これまで以上に、誠実に、真摯に、愚直に、生きたいと思います。
今年もお世話になりました。2015年もよろしくお願い致します。
井上裕朗