BLue CaFe NeT

by HiRoo iNoue || ACTOR

言葉、の、羅列

書かれた文章を読むと、それがたとえ短いものであっても、その人のことがある程度わかってしまうように思える。少なくとも、なんとなくこんな感じの人なんだろうなと予想ができてしまう。

「書く」ことも、「話す」ことも、「考える」ことも、その人の中で生まれた言葉のチョイスとその順列組み合わせであるわけだから、それは当たり前のことなのかもしれない。

好意を寄せている人や気にかかる人が素敵な文章を書いているのを見ると、とても嬉しくなる。やっぱりね、と安心する。そして素敵な文章を書く人は、会ったことがなくても好きになったりする。会ってみたくなる。誰かに「会う」ことと、誰かの書いた文章を「読む」ことは、そう遠くないことかもしれない。


もちろんその逆も然りで、苦手なタイプの人の書く文章はやはり好きになれないし、書いた文章を読んだだけで、自分と合わないだろう人はわかる。実際に会うのと同様、書かれたものを読むだけで何かが蝕まれるような気になる。

「文章を書く」という行為は、自分の存在(の欠片)を写し取るようなものなのだろう。意図した以上に自分をさらけ出してしまうどこか怖ろしい行為。優しい人の書く文章は優しい。独善的な人の書く文章はどこか独善的。僕の書く文章は、ただの言葉の羅列なのに、逃れようもなく僕を表わす。「演じる」こともそれと似ている。


今日は素敵な文章を読みながら眠りにつこう。