BLue CaFe NeT

by HiRoo iNoue || ACTOR

転がる石のように <前編>

2001年2月のある週末、親友の一正くんと突然二人で富山の温泉に行くことになった。その頃僕はまだ会社勤めをしていて、同じ会社・同じ年齢だが、体重は倍近く違う一正くん(もちろんあっちが上)と毎週のように遊んでいたのだ。

しかし、企画自体は面白かったものの男2人で温泉に行っても何をしてよいか分からない。結局、食べて飲んで風呂入って暴れて、食べて飲んで…の繰り返しで
疲れ果ててしまった。
そう、一正くんは、僕の数倍の体積と体力をもつ巨漢なのだ。同じメニューをこなして無事でいられるはずがない…。ヘトヘトになった僕は、帰宅後夜中に耐えがたい腹痛で目を覚ました!


僕は生まれつき腸に特徴があって、暴飲暴食や不摂生が積み重なるとすぐ腸炎を起こしてしまうのだが、その夜突然僕に襲いかかった痛みは、明らかに「即入院」のAランクだ。一人暮らししていた僕は、痛さに耐えつつ着替えや洗面道具を詰め転がるように外に出て流しのタクシーを拾って、日赤の夜間救急へ!

診察結果は「1週間の入院および絶食・安静」。たぶん死ぬまで忘れることのない、前回の入院の始まりだった。